食品表示

「食のコミュニケーション円卓会議」と食品表示

食品表示は消費者と食品をつなぐ重要な情報源です。
しかし、複数の法律で規定されているため、ルールが複雑になっていたり、文字の大きさが小さかったりして、読んでもなかなか分かりにくいものになってしまっています。

「食のコミュニケーション円卓会議」では、定期的に食品表示の勉強会を開催したり、分かりやすい食品表示を実現するため、行政に対して積極的に意見を述べるようにしています。

 

どんな活動をしてきているのか

1 勉強会

・ 2014年7月 58本の基準を一つにまとめた食品表示基準(案)について現行制度からの変更点を中心に分かりやすく解説しました。
→<スライド資料>


・ 2013年9月 2013年6月に成立した「食品表示法」の概要と、食品表示基準策定にあたっての課題とその対策をわかりやすく解説しました。
→<スライド資料>


・ 2012年9月 2012年8月に消費者庁でまとめられた食品表示一元化検討会報告書についての解説と、食品表示一元化に向けての課題を整理してお話しました。
→<スライド資料>


・ 2011年8月 食品表示のルールを再度勉強しました。併せて、表示の作成と表示の間違い訂正についての実習を行い、食品表示の最近の話題をお話しました。表示の間違い訂正についての実習は、東京都の健康食品取扱事業者講習会の資料を参考に作成しました。
→<スライド資料><実習-問題><実習-解答用紙><実習-解答>


・ 2010年9月 食品表示の最近の話題をまとめてお話しました(主に行政の動向と食品表示の国際比較について)。行政の動向については、消費者庁の作成した資料を使用しました。
→<スライド資料>


・ 2009年8月 食品表示の基本的なルールをお話しました。
→<スライド資料>



2 パブリックコメント等への意見提出

・ 2014年8月9日
消費者庁 食品表示基準(案)についての意見

・ 2014年6月25日
消費者庁 食品表示基準策定プロセスについての要望

・ 2013年6月11日
消費者庁 栄養表示基準の一部改正案について

・ 2012年11月29日
消費者庁 新食品制度についての意見書

・ 2012年4月3日
消費者庁 食品表示一元化検討会の中間論点整理についての意見書

・ 2011年5月3日
消費者庁 遺伝子組み換え食品の表示対象品目の見直しについての意見書

・ 2010年12月21日
消費者庁 加工食品品質表示基準の一部改訂(案)についての意見書

・ 2010年10月29日
消費者庁 トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)についての意見書

・ 2010年4月22日
消費者庁 食品の期限表示に関する意見書

・ 2010年3月11日
消費者庁 「加工食品の原料原産地表示」についての意見書

・ 2010年2日12日
農林水産省 「食品企業の商品情報の開示の在り方検討会の取りまとめ案」についての意見書

・ 2009年8日6日
農林水産省 「加工食品の原料原産地表示の方向性に関わる報告書案」についての意見書

 

食品表示の基礎知識

1 はじめに

食品の包装面には多くの表示がされていますが、その表示の目的は以下の三つがあります。


(1)消費者の安全性を確保するための表示
 基本的に食品の安全性は確保されているものですが、アレルギー患者さんにとってはアレルギー物質の表示は自分が食べられるかどうかの判断の一つになります。


(2)消費者が正しく食品の内容を理解し選択したり適正に使用する上で重要な情報源としての表示
 原材料の表示や原料原産地の表示がこれに当たります。


(3)事故が生じた場合に、その責任の追及や製品回収等の行政措置を迅速かつ的確に行うための手がかりとするための表示
 食品衛生法で規定した表示により、いつ誰がどこの工場で製造したものかが分かるようになっています。


上記の目的を達成し、消費者に表示を正しく理解してもらうために、現在日本では表示しなければならないことと、表示してはいけないことが各種の法律で規定されています。


●表示しなければならないことを規定している法律
 →食品衛生法、JAS法、計量法、健康増進法


●表示してはならないことを規定している法律
 →不当景品類及び不当表示防止法、薬事法、健康増進法


ここでは、食品表示について、上記に挙げた法律を分かりやすく解説すると共に、今後の表示制度の動きについて分かる範囲で説明をします。



2 食品表示に関する法律

食品表示がどのような法律に基づいて行われているかを一覧表にまとめました。


表. 食品の表示に関する法律一覧

法律等の名称 表示等の主旨 対象食品 表示すべき事項
食品衛生法 飲食による衛生上の危害発生の防止 容器に入れられた加工食品
名称、食品添加物、消費期限又は賞味期限、保存方法、製造者氏名、製造所所在地等
遺伝子組換え食品、アレルギー食品、保健機能食品に関する事項

農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律
(JAS法) 品質に関する適正な表示 全ての生鮮食品、加工食品及び玄米、精米
名称、原材料名、原料原産地名、内容量、消費期限又は賞味期限、保存方法、原産国名、製造者の氏名及び住所、その他必要な表示事項
遺伝子組換え食品、有機食品に関する事項

計量法

内容量等の表示 計量法で定められた特定食品 内容量(質量又は体積)
健康増進法 健康及び体力の維持、向上に役立てる 加工食品等で栄養表示をする場合 栄養成分、熱量
特別用途食品 商品名、原材料、許可を受けた理由、許可を受けた表示の内容、成分分析表及び熱量、許可証票、摂取方法等
自治体の消費者保護条例 他法による規制のない商品の品質に関する適正な表示 条例にある個別食品 条例の内容に従って表示

その他、不当景品類及び不当表示防止法は、商品(食品を含む)の虚偽・誇大な表示の禁止、薬事法は食品の医薬品的な標榜の禁止を謳っています。

以下に、個別の法律について簡単に解説します。

1)食品衛生法
食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする法律であり、規制の対象は食品、添加物、容器包装等となっています。


2)農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
JAS法の目的は「農林物資の品質に関する適正な表示を行わせることによって一般消費者の選択に資し、もって公共の福祉の増進に寄与する」とあり、一般消費者が食品を選ぶために必要な品質情報を表示するように求めています。
食品衛生法とは表示対象が異なり、食品衛生法が消費者向けだけでなく業務用も対象にしているのに対し、JAS法は消費者向けの商品及び業務用の一部が対象となっています。


3)計量法
内容量の表示については、計量法の規定が基本となり、同法に指定されている商品(特定商品の販売にかかわる計量に関する政令により掲げている特定商品)については、その規定により表示しなければなりません。


4)健康増進法
健康増進法は国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的としている法律です。
この法律で規定されている食品として特別用途食品(特定保健用食品を含む)があります。
また、健康増進法で定められている内容として栄養表示基準があり、販売する食品に栄養成分、熱量に関する表示を行う場合は、この栄養表示基準に従い必要な表示をしなければならないとされています。


5)不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
景品表示法は、過大な景品類及び不当な表示による顧客の誘因を防止することにより、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為を禁止し、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律です。
該当事例としては以下のものが挙げられます。

・着色した甘い水を「果汁」「ジュース」と表示
・添加物を使用した食品に「無添加」と表示
・輸入された牛肉に「国産牛」と表示 


6)薬事法
薬事法は医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有用性、安全性の確保に必要な規制を行い、保健衛生の向上を図ることを目的とした法律です。
医薬品は食品と明確に区別されており、「疾病の診断、治療又は予防に使用する」「人の構造又は機能に影響を及ぼす」という目的性を持たせれば医薬品に該当し、食品として使用できないことになっています。つまり、医薬品と間違われるような医薬品的効果効能及び用法容量の表示は食品には認められていません。
該当事例としては以下のものが挙げられます。

・効果効能の表示:「高血圧の方に」「ガンがよくなる」「疲労回復」「老化防止」「精力をつける」「心臓の働きを高める」「血液を浄化する」
・用法用量の表示:「1日3回毎食後」「1回2粒が適当です」「夜寝る前にお飲みください」



<参考>食品表示に関する制度の概要(消費者庁資料より)