不妊虫放飼法(Sterile Insect Technique、SIT)
防除対象の虫を大量に人工飼育して放射線照射で不妊化し、交尾はできるが子孫は残すことができない不妊虫を大量に野外に放して野生虫同士の交尾頻度を大きく低下させることによる野外の害虫の防除技術です。
不妊雄と交尾した雌が産んだ卵は孵化しないので、次世代の野生虫の個体数は減少し、さらにこれを数世代にわたって繰り返すことで、ついには根絶させることができます。農薬による防除と異なり人体や環境への影響がありません。
沖縄県では、南方から侵入し南西諸島全域に生息していたウリミバエの根絶を1993年にこの方法で達成し、ゴーヤなどの本土への出荷が可能になりました。